ワークショップについての、おまけその1です。
私、伊佐治は、表方と裏方の両方を務め、一日中なにがなにやら、だったのですが。
谷亜由子さんとのトークのなかで思い出して伝えられなかったことを。
私が最初に仕事関係なくインタビューしたのは婚家の大伯母だったという話はさせていただきましたが。
戦争中、軍需工場に勤労奉仕で行っていた大伯母が言ったのです。「B29がすごく綺麗で見惚れていたの」と。その直後、爆撃を受け多くの死傷者が出たのですが、私はその大惨事よりも、美しい女学生(事実、大伯母は老いても美しく)が空を見上げて見惚れている光景の方が印象に残りました。その光景をまざまざと思い浮かべることができたのです。それが、肉声の強さです。
終戦の日、ものすごい青空だったというのは各所で語られ、ドラマでも向田邦子脚本、黒柳徹子さんのナレーションで語られていたことですが、大伯母の肉声を聞いた私は、すんなりと受け止められるようになりました。
また、技術的なこと、「?」「!」「…」「(短間)」について、お話させていただきましたが、私はなにしろ独学の人間なので、「なんだっていいじゃん、伝われば」と思っています。自分なりの書き方のルールが一貫していれば、脚本コンクールの審査員はそれを見抜けないほど頭が固い人間ではないと、過去の経験からも思います。「神は細部に宿る」。どうぞ、句読点や記号も、心を表現する大事なものだと肝に銘じて、自分なりのルールを編み出したください。
そして、今回、個人的な収穫としてですが、役者さんたちの凄さを改めて思い知りました。熟年のお2人は旧知ということもあり、普通にお友達付き合いをさせていただいているのですが、直前に渡されたシナリオを瞬時に理解し表現してくる、それは若手のお2人も同様で。「あぁ、すごい。これからは改めて、どんなわがままを言われても許そう」という気持ちになりました。(あ、皆さん、そんなにわがままではないです。私ほどには。。。)
本当に、薄謝でご協力いただき感謝するとともに、こうして、書き手と演じ手が、たとえ短い間でもつながることができれば、名古屋の可能性を広げることにいつかはなるのではないかと気づきました。
大切なことは、青い鳥はすぐそこにいる。
たくさんの裏の雑用を、嫌な顔ひとつしないで、むしろ積極的に「自分にいまできることはなにか」と動いてくださった日脚連中部の皆さまに、改めて感謝を。
みんなでそこそこ無理なく頑張って、名古屋の脚本家を一人でも多く輩出して、このほそぼそとした、でも思いやりにあふれた日脚連中部のつながりを次世代につないでいけたら、と思います。
