第2回 シナリオを書いてみたい! と思ったアナタへ 【シナリオを構成する3要素】

※Wordで書く場合は、原稿用紙設定にしないことを注意事項とするコンクールもありますのでご注意ください。

これが、ドラマのワンシーンと仮定します。

①柱(場所や時)

〇木下建設・オフィス(夜)→の部分が【柱】と呼ぶものになります。

この柱において、まずは場所を指定し、その下に(  )に入れて時間帯(朝・夕・夜など ※昼が基本なので、昼の場合は書く必要がない)を指定します。

②ト書き(情景や人物の動きなど)

次に、行を替えて②の【ト書き】を書き始めるのですが、この時、上から2マス、あるいは3マス空けて書き始めます。
ここで、2マスあるいは3マスとなんとも曖昧なことを申し上げるのは、どちらのパターンもあるからです。学ぶ場所によって違いもあるようです。ただ、どちらかに決めたら、その作品が終わるまでは一貫して、2マスなら2マス、3マスなら3マス空けで統一してください。
ト書きが2行以上になる場合も、頭は揃えます。

ここには、情景や、人物の動きなどを書いていきます。

初めてその人物が登場する場合は、フルネームと( )の中に年齢を入れ、2度目の登場以降は、名前のみとなります。

ト書きには映像で表現できることしか書かない。→こう教えられるのですが、これを自分の中に落とし込むのは少々時間がかかります。
よく小説の地の文とト書きの違いを訊かれるのですが、その答えの一つがこれであると思います。
例えば、梶井基次郎氏の小説『檸檬』を読んでいただくと、最初の数ページで、映像にできる文と映像にできない文の違いがはっきりと見えてくると思います。
https://www.aozora.gr.jp/cards/000074/files/424_19826.html(青空文庫)

また、《必要充分かつ簡潔に》というのがト書きなのですが、ついつい最初は長くなってしまいます。
短くするコツは……?
実は、コンクールに応募する中で、規定枚数をオーバーし、あと3枚削らなきゃ、というような切羽詰まった状況を重ねるうちに、自然と余分な言葉を削ったり、もっと簡潔に言えないかと表現を工夫する中で、なんとなく身についていくように思います。

③セリフ

・セリフの頭には誰が話すセリフかを書き、その下に「  」に入れてセリフを書きます。
・セリフが2行以上になる場合は、2行目からは1マス空けて、
・セリフの終わり、つまり閉じカッコの前に句読点は打ちません。
・疑問符、感嘆符の後ろは1マス空けます。(ただし、これがセリフの終わり、つまり閉じカッコの前の場合は空けません)
・カッコ内ト書き・・・実は、ト書きの中にはセリフの中に(  )で書かれているものもあります。異論があるかも知れませんが、個人的には、セリフをテンポよく進めたい場合によく使います。ただ、カッコ内ト書きはなるべく短く。長いト書きはやはり外に出して、きちんとト書きとして独立させる意識で。

こうして書いていき、場所(シーン)が替わる場合は、〈1行空けてから〉新たに柱を立てて書いていきます。この繰り返しです。

     (白石栄里子)