僕「枯らしてしまうんです、だから植物を育てることについ二の足を踏んでいます。」
植物専門家「枯らすのは自分に合わなかっただけ、それよりも自分に合った植物を見つけること、枯らすことを恐れないで。」
答えを聞いて、すーっと胸のつかえがおりた。
仕事に出かける時刻も帰る時刻も決まっていない、不規則な日々を送る我が家では、つい植木鉢の植物への水やりに失敗して、枯らしてしまう現状を訴えたことへの答えだった。
以来何十年にもなるが未だに我が家では「これだ!」という、自分に合った植物は見つかっていないが、懲りずに鉢植えを買ってきては枯らしている。徐々にではあるが見つかりつつあるように思う。自分を知り、我が家に合う植物を見つけようと、これからも試行錯誤は続くだろう。(泣・笑)
僕「植物の水やりに失敗してしまうんです、上手に育てるコツは?」
植物専門家「私は『中庸』という言葉が好きで、常に心掛けている。最も分かりやすい例は水やりで、やりすぎても少なすぎても枯れる。『中庸』が肝心です。」
名古屋市農業センター(名古屋市天白区)は「野菜と家畜」をテーマにした農業公園で、何十年も前、取材する機会があった。その折に聞いた忘れられないことばが「中庸」だ。
デジタル大辞典Weblioによれば「中庸」とは、
かたよることなく、常に変わらないこと。過不足がなく調和がとれていること。また、そのさま。と記されている。
人生にも、子育てにも、社会全体にも通じる言葉ではないだろうか。
最近、極右政党への支持が高まって、政治が右往左往している国があると報じられている。右か左に偏ることなく調和を考えられないのだろうかと思えてしかたない。
何ごともほどほどに過不足なく調和がとれるように生きたい、「中庸」を、これからも僕は心にとどめたい。
(はっとり ちはる)